IT転職マニュアル~未経験からエンジニアになる方法

システムエンジニアやネットワークエンジニアなどのIT転職を未経験の方が成功させるためのマニュアルを紹介しています。

IT転職・未経験者がインフラエンジニアになる方法

システムエンジニアやWeb系プログラマなど主にソフトウェア扱うIT系職種と対極にいあるのが、このページで紹介するインフラエンジニアです。AI化が進み人手が足りなくなったのはソフトウェア系の仕事だけではなく、ハードウェアを設計・監視するエンジニアも同じ。このため、ハードルの高かったインフラエンジニアも、知識や資格があれば未経験者でも育てようという会社が増えています。

 

この記事ではインフラエンジニアになるための方法を、仕事内容や年収、資格などに分けて解説していきます。プログラムよりもハードに興味がある方はインフラエンジニアの仕事に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

 

1. インフラエンジニアの仕事とは

インフラとつくことから想像できるように、インフラエンジニアはインフラ、つまりIT環境の基盤を設計・構築・運用保守をする仕事です。ITインフラはサーバーやPC、ネットワークといったハードウェアと、それらを動かすためのOSなど基本システムが含まれます。すべてのIT機器やアプリケーションががスムーズに動くための縁の下の力持ちと言えるかもしれません。

 

Web系エンジニアやシステムエンジニアに比べると地味な印象がありますが、ITインフラがなければどんなアプリケーションもサービスも使えないため、トレンドに影響されず常に需要のある仕事ともいえます。最近は企業のシステムだけでなくゲームや家電など様々なものがインターネットに接続されていることから、快適なIT環境を運用できるインフラエンジニアの需要は高まっています。

 

インフラエンジニアの主な仕事内容は、

・インフラ環境の設計

・構築

・運用・保守

の3段階に分かれます。

 

インフラ環境の設計では、顧客の求める環境をヒアリングし、必要なサーバーやネットワーク機器、クライアントPCやプリンターといったハードウェアの種類や数の選定、その上で利用するソフトウェアなどを決めていきます。顧客の考える予算の中で最も快適にシステムが動く設計を考えなくてはならないので、各種機器の能力だけでなくアプリケーションの仕様などにも精通している必要があります。

 

構築は設計した機器を実際に現場に設置していく作業です。物理的な配線からネットワーク上での接続、その上に乗るOSやアプリケーションの設定などが含まれます。サーバーやネットワーク機器の基本設定は自社内ですませ、現場では配線作業と最終作業、調整、テストをすることがほとんどです。

 

現場での設置は顧客の営業時間外になることが多いため夜間や週末に作業することも珍しくありません。また、力仕事も多いためネットワークエンジニアを含むインフラエンジニアは動きやすい服装も許可されている場合があります。

 

運用・保守は設置後、システムがスムーズに動いているかを定期的または顧客からの依頼でメンテナンスをする作業です。自社から遠隔で操作できるものと、現場に行く場合とがあります。ルーティンワークが多いので未経験者や新人はまず運用・保守などのサポート業務からスタートすることが多いです。

 

トラブル対応では原因がサーバー側かネットワーク側か、その上のソフトウェアなのかといった切り分けが必要になり、経験が物を言う世界でもあります。また、各種機器のメーカーやソフトウェアの開発元とのコミュニケーションも必要になります。

 

 

2. インフラエンジニアとネットワークエンジニアの違い

ITインフラにはサーバー、PC、ネットワークなどのハードウェアがあると書いたので、インフラエンジニアとネットワークエンジニアは同じなのでは?と思った人もいるかも知れません。

 

ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一部で、主にネットワークに特化した作業を担当します。同じようにインフラエンジニアには、サーバーに特化したサーバーエンジニアがいます。現場では、よほどの大企業出ない限りインフラエンジニアとサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアの業務の間に明確な切り分けはないことがほとんど。どちらの作業もできるのが基本です。

 

私の周りのエンジニアを見ていると、自分の肩書をネットワークエンジニアと言う人はCiscoの上位資格を取得し、サーバーエンジニアはLinuxマイクロソフトの上位資格を取っているようです。通常インフラエンジニアはどちらの資格も中級レベル程度まで取っていきますが、最終的に自分が得意とする方向に自然と偏っていくようです。

 

 

3. インフラエンジニアの年収や待遇を確認する

 インフラエンジニアの年収は厚生労働省のデータでは確認できないためリクルートのTech総研のデータと、実際の募集広告の数字から確認していきます。

 

30代エンジニアに聞いた内容を元にまとめた平均年収は以下の通り。

基盤・インフラ 575万円

ネットワーク設計・構築 547万円

通信インフラ設計・構築 543万円

運用、監視、テクニカルサポート・保守 477万円

 

30代に限定しているので全世代で見ると差異はあると思いますが、大体の傾向がつかめると思います。設計や構築ができるインフラエンジニアは、運用保守がメインのインフラエンジニアよりも年収が上です。これは運用保守が比較的経験が浅い人が担当する場合が多いこと、設計構築は時間外作業が多いことなどの影響もあると推測できます。

 

求人広告はエン・ジャパンの転職サイト、エン転職から最新のものをチェックしました。

 

東京、愛知、大阪などに顧客がある中規模インフラ設計会社。インフラエンジニア未経験者も歓迎しているこちらでは3年目25歳の年収例が400万円です。休みがきちんと取れることを売りにしていることもあり、時間外手当が少ないので年収にも数字が反映されているのかと思います。

 

東証二部上場の別の企業では運用・保守の担当インフラエンジニアを募集。月給28万円とあり、賞与を加味しなければ年収336万円からのスタート。先程のインフラ設計に比べると数字が低くなりますが、安定した職場で長く続けられれば悪くないです。

 

一般的な仕事と比べると年収は悪くありませんが、他のIT系職種と比較するとやや低めの傾向にあるようです。プログラマーに比べると労働時間の管理がしやすく、時間外残業が少ないということもあるかもしれません。インフラエンジニアで高収入を狙いたい人は設計・構築ができるようになることと資格の取得が必要になります。

 

 

4. インフラエンジニアに向いている人とは?

インフラエンジニアでも、運用・保守と設計・構築では向いている人はやや異なります。

 

運用・保守はルーティン作業が多く定期的にシステムのアップデートやメンテナンス、顧客訪問などがあり、きちんとスケジュール管理ができる人に向いています。また、顧客からはメールや電話で問い合わせが入ることも多く、顧客とコミュニケーションがうまく取れる人は評価が高くなります。

 

コンピュータが好きで、中でもサーバーが好きな人は様々な機器を組み合わせて環境設定や構築ができる設計・構築系インフラエンジニアは楽しい仕事です。ただし、それぞれの機械の上で動かすソフトウェアにも詳しくなる必要があるため、ITに関する幅広い知識を吸収する意欲がある人が向いています。

 

もちろん、資格取得も必要ですので、日々勉強する姿勢を持てることは必要な能力。資格取得を応援し、合格したらお祝い金が出たり、給与が上がる会社もありますので、ご褒美をモチベーションに勉強できる人は高収入も狙えます。

 

 

5. インフラエンジニアになるための資格やスキルについて

人手不足が深刻なIT業界では、未経験者や他業種からインフラエンジニアに転職する人も増えています。 特に運用・保守からスタートしてシステム設計・構築へと経験によりステップアップができるインフラエンジニアは、必要な知識があれば比較的入り口は低め。そのためにも知識があることを証明できる資格取得が必須となります。

 

未経験からインフラエンジニアを目指す人が最初に取りたい資格は、基本情報技術者試験。他のIT職種でも出てくる基本情報技術者試験はインフラエンジニアこそ必須の資格です。

 

試験は年に2回しか開催されないため、半年から1年かけてしっかり準備して臨みたいですが、未経験者にはかなり難しく感じるかもしれません。実際合格率も20%台と難関。この先さらに上位の資格も目指したいこともあり、スクールの利用も検討するといいです。

■ 基本情報技術者試験についてはこちら

 

また、他の応募者の差をつけるにはベンダー系資格も持っていると強みになります。基本情報技術者試験に合格したら、CiscoCCNALinux技術者認定試験の資格取得も目指したいところ。こちらは独学で勉強するのはかなりハードルが高いですが、スクールでは効率的に短期間で資格取得まで導いてくれるのでおすすめです。

 

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未経験者がインフラエンジニアになるための方法を見てきましたが、参考になりましたか?運用保守からスタートし、スキルアップして資格も取得すればインフラ構築や設計のできるインフラエンジニアを目指せば高収入にも繋がりやりがいのある仕事。

 

人手不足のため、未経験者でもやる気と資格があれば歓迎される今、インフラエンジニアを目指して勉強してみてはいかがでしょうか?