IT転職マニュアル~未経験からエンジニアになる方法

システムエンジニアやネットワークエンジニアなどのIT転職を未経験の方が成功させるためのマニュアルを紹介しています。

IT転職・未経験からネットワークエンジニアになる方法

IT転職に興味があるが、コンピュータの前でコツコツ作業をし続けるのは苦手と考えている方。プログラムよりもハードウェアのほうが好きという方はネットワークエンジニアが向いているかもしれません。

 

社会全体のIT化が進み人手が足りないのはシステム開発だけではなく、それをインターネットに繋ぐネットワークの技術者も同じ。以前は理系大学や専門学校卒業生の仕事と考えられてきましたが、全く別の業界から未経験でネットワークエンジニアの転職にチャレンジする人も増えてきています。

 

この記事は未経験からネットワークエンジニアになるための方法をマニュアルのように紹介します。ネットワークエンジニアになりたいが何から始めたらよいかわからないあなたの手伝いができれば嬉しいです。

  

参考)

未経験からのネットワークエンジニア転職~おすすめの成功方法 | IT転職でイイミライ~おすすめエージェント&スクール最新情報

 

1.  ネットワークエンジニアの仕事とは?

ネットワークエンジニアは比較的仕事内容がイメージしやすいIT職種の一つ。名前の通り、ネットワークに関わるシステムを見ることが主な仕事。具体的にはネットワークの設計から始まり、構築、運用保守、メンテナンスを行います。

 

日本はコンピュータのIT化が始まってからすでに時間が立っているので、殆どの会社はすでにネットワークが構築されています。このため、ネットワークエンジニアの日々の仕事の中心は運用、保守、メンテナンスといった既存ネットワークが快適に動くための監視。時々システムの入れ替えなどで大掛かりなプロジェクトが入ることもあります。

 

ネットワークエンジニアの勤務地は、社内システム管理室、ITソリューションベンダーの他、データセンターと呼ばれるサーバーが大量に並び様々な企業のネットワーク管理やサーバー管理を行う建物での勤務があることが特徴的です。

 

2. ネットワークエンジニアの年収、待遇を確認

ネットワークエンジニアの年収は政府統計では個別に出ていないため、Tech総研のデータと、SEと同様最新の求人情報から実際の募集金額を見ていきます。

 

Tech総研のデータは、ネットワークエンジニアに該当する業種はネットワーク設計・構築、通信インフラ設計・構築、運用・監視・テクニカルサポート・保守に別れています。ルーティンワークが多いからか運用・監視などメンテナンス系はやや低めです。

 

ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)平均年収 547 万円

通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)平均年収 543 万円

運用、監視、テクニカルサポート、保守 平均年収 477 万円

 

この中で最高金額は通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)で1100万円、最低は運用・監視200万円でした。ネットワークエンジニアの中でも未経験者が入りやすい運用・監視の最低給与額が最も低くなったと考えられます。

参考)Tech総研:30代エンジニア2180人に聞いた平均年収の実態と満足度

 

 

次に実際の求人からのデータです。ネットワークエンジニアの求人情報はリクナビを参考にしました。

リクナビNEXT(https://next.rikunabi.com/)

 

未経験者歓迎の関東圏を中心にプロジェクトを持つネットワーク構築の会社では1年目の年収が350万円、7年目で437万円。未経験で若い人を中心に集めているからか、少し低めです。

 

大手企業の外部IT構築会社では経験者を中心に集めており、プロジェクトメンバーで年収600万円、リーダーになれば800万円、マネージャーであれば1060万円とかなり稼げることがわかります。

 

Tech総研のデータからも、ネットワークエンジニアは経験やスキルだけでなく勤務先により年収に大きく差が出ることがわかります。未経験者はやや給与が低くても研修などを通して経験が積める会社からスタートし、スキルアップとともに転職をすることで高い年収が期待できそうです。

 

 

3. ネットワークエンジニアに向いている人とは?

ネットワークエンジニアはシステムエンジニアプログラマーなど他のIT職に比べ体を使うことが多い仕事。このため、机に向かって黙々と作業をするのが向いている人よりも体力仕事を苦に思わないタイプの方が向いています。

 

具体的例をあげると、システムの設計段階では打ち合わせやコンピュータに向かいますが、実際の構築が始まるとケーブルを物理的に配置したり、ネットワーク機器を天井裏に設置と、かなりの肉体仕事が待っています。また、ネットワークは止めていられる時間が限られるため、会社の業務時間が終わってから翌朝までの深夜作業が多いのも事実。

 

実際私の周りのネットワークエンジニアは仕事外ではジムに通ったり、趣味でスポーツをしているようなアクティブ派は少なくありません。定期的にスポーツをしていなくても、日常的に体を使っている人が目立ちます。

 

ネットワークエンジニアは機器や配線と言ったハード面だけでなく、ソフトウェアを理解していなければネットワーク設計ができません。保守では障害監視といった地道な作業も必要です。新人の間は特に根気の必要な作業も多いので、丁寧な仕事ができる人が向いています。

 

また、ネットワークエンジニアは人と協力して作業することが多いため、コミュニケーション能力の高い人は色々なプロジェクトで重宝されます。特にネットワーク構築を希望するのであれば、人と接することや長時間他人と一緒に作業することが嫌いでないほうが良いです。

 

他のIT職同様、日々更新される新しい技術を学んだり、シスコなどベンダー資格を定期的にアップデートする必要があり、資格試験勉強をすることが苦でないことも大切な条件です。ただし、資格取得に助成金をつけたり報奨金を出す会社も少なくなく、取れば確実に転職に有利になれるため、スキルアップに貪欲な人は高収入への道がひらけます。

 

 

4. ネットワークエンジニアに必要な資格やスキルについて

IT職種とは切り離せない資格取得。未経験者がネットワークエンジニアになるにはどの資格をとっておくのが有利でしょうか?

 

システムエンジニアのページでも取り上げましたが、国家資格の基本情報技術者試験は必須の資格です。基本情報技術者試験に合格していれば、ネットワークエンジニアとして必要な最低限の知識があることを証明できます。

 

システムエンジニアと違いネットワークエンジニアは未経験者歓迎の会社も多く、他業種からの転職も多い職種。当然倍率も高くなるので基本情報技術者試験に合格していなければ履歴書で落とされてしまう可能性もあります。

 

年2回の開催ですので、ITの基礎知識がない人は半年から1年かけてしっかり準備して試験に臨むと良いです。

■ 基本情報技術者試験についてはこちら

 

この他ネットワークエンジニア向けの国家資格にネットワークスペシャリスト試験があります。ネットワークスペシャリスト試験の平均合格率は4.8%とという超難関試験。ネットワークの保守や運用で経験を積んだ人が上級エンジニアに進むためのステップアップですので、未経験者は受験を考える必要はありません。

 

ネットワークのベンダー資格の代表にCisco(シスコ)のシスコ技術者認定があります。試験自体の難易度が高いこと、レベルや分野がいくつも別れていて仕組みがわかりにくいこと、何より試験料が高いことから、経験者がスキルアップのため十分な準備をしてから受けるものと考えて良いです。

 

IT職種の中でもネットワークエンジニアは資格取得が収入アップに繋がりやすいので、未経験のうちから常に勉強を続ける姿勢を保ちたいです。現在他の会社で働いている人も、すでにネットワークエンジニアになっている人も利用しやすいオンラインスクールが増えていますので、上手く利用したいですね。

 

おすすめ情報)

ネットビジョンアカデミー~未経験でも無料でエンジニアになれる! | IT転職でイイミライ~おすすめエージェント&スクール情報

→無料で資格取得、就職斡旋までしてくれるオンラインスクールネットビジョンについて詳しく書かれています。

 

 

5. 未経験者からネットワークエンジニアになるためのキャリアパス

最後に具体的に未経験者がネットワークエンジニアになるためのキャリアパスをまとめました。現在異業種で働いている方で、IT業界への転職、その中でもネットワークエンジニアを希望している方のプラン設計になればと思います。

 

1. まずは資格取得から 

 現在異業種で働いている方が最初に始めることは資格取得のための勉強です。ネットワークエンジニアはIT以外の知識も必要とされることが多いため、比較的異業種からの転職はしやすいIT系の仕事。とはいえ、最低限の知識がなければ面接までたどり着けない可能性があります。

 

資格の項目で書いた基本情報技術者試験は必携の資格ですし、受験勉強を通してネットワークエンジニアとして働くための最低限の知識を得ることができます。合格率20%台の難しい試験なので、独学で半年から1年間、今の仕事をしながら勉強を。2、3回受けても合格できない場合は資格取得講座を取ることも考えたほうが良いです。オンラインで通える講座もたくさん出ているので、短期間で資格取得まで行きたい人は始めから利用するのも手です。

参考)

基本情報技術者 総合本コース|情報処理技術者講座|社会人講座|<資格の大原>

受講料75,300円で、4~6ヶ月で合格を目指すオンライン講座。 

 

2. 未経験者が採用されやすい会社を選ぶ

ネットワークエンジニアを必要とする会社は様々です。総合的にITサービスを提供しているところから、配線をメインにしている会社、データセンター、ケーブルテレビやセキュリティシステムの会社もあります。

 

しかし、未経験者がデータセンターの仕事ってかっこいい!と大手データセンターの採用試験に応募しても通ることはほとんどありません。データセンターは信頼性が第一のクリティカルな仕事を求められるため、転職では経験者の採用が中心。

 

未経験者が採用されやすいのは、中規模程度のネットワーク構築会社や、社内システム管理担当。基礎的なネットワークの仕事を繰り返す仕事は実力がつきやすく、ステップアップのための資格取得に協力的な会社であれば社員のモチベーションも高いです。

 

3. 転職後のプラン

ネットワークエンジニアに転職後、資格取得を続けながら3年程度働くと次のステップを考えます。

 

職場の環境が良ければ、その中でネットワークエンジニアのスペシャリストとしてネットワーク設計や構築のできるグループのリーダーを目指してもいいでしょう。コンサルティングや提案力を認められれば、現場での力仕事だけでなく営業的な存在としてシステム全体を見るマネージャーとしても活躍できます。

 

もちろん同じ職種でより条件の良い会社への転職も可能です。転職を有利にするためにも、日々資格取得を続けることが大切です。

 

また、シスコなどベンダー資格が取れていればデータセンターへの転職も見えてきます。出張や移動、外部作業の多いネットワークエンジニアの中でもデータセンターは勤務時間安定していて移動の少ない現場。出張に疲れた人におすすめです。

 

 

 

以上、未経験からネットワークエンジニアになる方法をまとめましたが、いかがでしたか?ネットワークエンジニアの仕事は室内でのプログラミング作業だけでなく配線などの作業もあり、他のIT職よりもアクティブな仕事。未経験者の採用も積極的な会社が多いので狙い目です!